LANケーブルチェッカー LEC-910

LAN


ジェフコムのLANケーブルチェッカーLEC-910を使ってみました。
JEFCOM LEC-910

このLANケーブルチェッカー LEC-910は、導通やケーブルの長さ、減衰(LOSS)や遠端漏話(FEXT)、近端漏話(NEXT)の値を測定し、ジェフコムで測定したデータを元に、実際使う上で問題がないレベルかどうかを判定することができます。

フルークのケーブルテスターのような多機能で検証・認証機能などはありません。そもそもの用途が違いますし価格も全然違います。

ただ導通だけを確認するLANケーブルチェッカーに比べて、最低限のケーブルの品質は測定できそうだったので簡単にテストしてみました。テストはLEC-910を使い、カテゴリーモードをカテゴリー5eにして計測しました。環境は配管などを通さず、LANケーブルの両端を成端して使いました。

テスト1

カテゴリー5eのケーブル90mで、両端を成端(Panduit MP588)した場合
T568Bで成端
T568Bで成端

結果は合格(PASS)となりました。

テスト2

次にカテゴリー5eのケーブル90mで、両端をT568Bで成端した場合(プラグはPanduit MP588)で、一方の成端の撚り戻しを多くとった(カテゴリー5eは、最大12.7mmの撚り戻しなのですが、今回はそれ以上の撚り戻しを行なった)場合
T568Bで成端
撚り戻しを長くして成端

この場合も結果は合格(PASS)となりました。

テスト3

次にカテゴリー5eのケーブル9mで、両端をT568Bで成端した場合(プラグはPanduit MP588)
T568Bで成端

結果は要注意(CAUTION)(長さ(Length)、減衰(LOSS)、近端漏話(NEXT)はPASSだったけれど、遠端漏話(FEXT)がCAUTION)となりました。

遠端漏話(FEXT)は、距離が長くなると原因となるノイズが減衰し遠端漏話(FEXT)も減少します。次のテスト4で長さを20mとした場合を試してみました。

テスト4

次にカテゴリー5eのケーブル20mで、両端をT568Bで成端した場合(プラグはPanduit MP588)
T568Bで成端

結果は合格(PASS)となりました。

ケーブル長が短いと遠端漏話(FEXT)がCAUTIONになるようです。最低でも15~20m程度必要と思われます。LEC-910のマニュアルにも測定可能ケーブル長は10m~100mという記載がありました。

テスト5

次にカテゴリー5eのケーブル20mで、両端をスプリットペアで成端した場合(プラグはPanduit MP588)
スプリットペアで成端

この場合結果は不合格(FAIL)(長さ(Length)はPASSだったけれど、減衰(LOSS)はCAUTION、遠端漏話(FEXT)はFAIL)となりました。

まとめ

このLEC-910はカテゴリー5eまたはカテゴリー6で、実稼働で問題ないレベルであることを確認することができますが、各カテゴリーで定められている基準値を上回っているかどうかの厳密な測定は行なっていないようです。

ただテスト5のようなスプリットペアでの結線では不合格(FAIL)と判定するなど、導通確認だけでは分からないレベルのチェックは行うことができます。

LANケーブルを敷設し成端した後、このLANケーブルチェッカーで試験を行い、PASSとなれば実際に使うには問題のないレベルの施工ができていると考えよいと思います。

導通確認だけしかできないLANケーブルチェッカーではスプリットペアは見つけられず、速度が極端に遅くなったりする場合があったりするので、さらにパソコンなどを使って速度を確認するなどを行う必要がありますが、このLEC-910ではそういった事を行わなくても済むので、施工時間が短縮できそうです。